2006 1月 Review
■FRONTLINE/THE SEVENTH SIGN・・・・こじんまりとまとまりすぎたメロハ
ドイツ産のメロディアスハードバンド「フロントライン」の2004年の作品。ジャーニー系のメロハバンドであるが、結構ギターのエッジの立った骨太な作品を短いスパンで出し続けている。本作は、私的には「AGAINST THE WORLD」以来である。途中、未発表音源集「
ALMOST UNRELEASED 」が出ているが、そちらは未聴だ。私の記憶が間違っていなければ、それ以外には1stを除けば、HEROES、RIGHT ATTITUDE、TWO FACESの3作が出ているから、通産7枚目になるのだろうか?
相変わらずギター中心のサウンドでカッコイイ!メロハをやっている。でもでも、このバンドの特徴なんだけど、これはという曲がない。平均的にいい曲を作れるけど、これはというハイライト曲がない。ボーカルも少し抜けの悪い(味があるといえなくはない)声で、ある意味このバンドにぴったりなんだろうが、迫力というか存在感は薄い。とけちをつけつつも、また次に出たときには聴きたくなる魅力がある。それは、彼らの音楽が一貫してメロハを追求しているからだ。パワメタに走ることもなし、モダンな今風に走ることもなし、ある意味常にジャーニーを意識して作り続けているように私に思えるからだ。本作では、ボートラでジャーニーのSEPARATE WAYSをやっている。フロントライン風なんだけど、残念ながらHOUSE OF SHAKIRAの方が私的には好きだな。91点
■LANA LANE/GARDEN OF THE MOON
ラナレーンの作品の中で最も評価の高いアルバムである。2000年、3rdのようだ。シンフォニックメタル、シンフォニックプログレ?というジャンルに入るのだろうか。過去、バラード集を購入し聴いたことがある。格別良くも悪くもないという印象だった。さて、本作であるが、思ったとおり私の好きな感じの曲群ではない。シンフォニックというのが、私には気だるい。プログレ系(ドリームシアター的)のような変調が無いだけ、不快ではない。だから、聴きやすい。ただ、好んで聴けるタイプではないということだ。やはり、もっとシンプルなポップな曲がいいと思う。この作品は、結構繰り返し聴いたが、前半の曲こそメロディーが、残るが中盤以降は今一のこらなかった。もうひとつ、女性ボーカルというのも(私にとって苦手なのも)が影響しているだろう。86点
◆ IGNITION
スェーデンのバンド。2003年の作品。当初、骨太のギター中心のサウンドかなというイメージで、私の趣向とは少し違うかなと思いパスしてきた。聴いてみると、思ったよりずいぶんよかった。印象としては、エクリプスの1st+ジャデドハートかな。ギターも結構カッコイイ使い方がしてある。その音も、全体の中にきちんと納まっていて目立ちすぎないのが私的にはいい。それと、何と言ってもVOの声がいい。JAN JOHANSENのボーカルは、ものすごく上手ということは無いけど、私の好きっぽい声質である。マイケルボーマン的だ。ボーマンほどうまくはない。でもでも、メロディアスハードにぴったりのボーカルである。コーラス他のつけ方も、非常につぼをえていていい。メロディーもポップな面、ハードな面、少しブルージーな面とバラエティーに富んでいて飽きさせない。これと言った突出した曲はないけど、全般に質の高い曲が揃っている。甘めのメロハが好きな人にはオススメできないが、ギター中心のメロハがお好みならばストライクだと思う。93点
◇ LAST AUTUMN'S DREAM/WINTER IN PARADISE
ラストオームドリームの3rd。あちこちで評価が高く、期待して聞いた。結論から言うと、これはもうFAIR WARNING関係ではないということ。ミカエル・アーランデソンの世界である。FWぽさを感じない。素敵な北欧メロディアスハードである。FW的なメロハを期待すると、少し肩透かしを食らう。北欧メロハとして聴けば、かなりいい感じの作品といえる。1,2,3曲と素敵なメロハナンバーを揃えているが、4曲目ミカエルのTHE1からのカバーIT'S ALRIGHTが流れてくると、完璧に負けている。この曲があまりにも強力すぎる。全般には1曲私的には?というのを除いてGOODなさ区品群だ。後、音がよくなったということだが、私のように音に疎いものには大きな差があるようには聴こえない。93点
■ HEARTBREAK RADIO
RADIO ACTIVE 、SAYIT他プロジェクトバンドで活躍のトミーデナンダーの新たなプロジェクト。本作では、ボーカルとしてPierre
Weinsberg , Mikael Erlandsson の二人を起用。それにしても、トミーデナンダーもだけど、マイケルアーランデソンもよくあちこちのプロジェクトに出ている。ヨーンランデ、ヨーンエドマンなど北欧の人たちは、固定したバンドでやるという感覚が薄い。さて、本作であるが、トミーデナンダーらしいメロハ&AORハードという感じだろうか。彼の関係した作品は、どれも似たような作品に聴こえる。嫌いどころか好きなので聴いているのだが、別にRADIO ACTIVEでやってもいいんじゃないのかなって思ってしまう。このプロジェクトでなくてはできない音なのかって素人の私は思ってしまう。まあ、心地よい軽めのメロハを好む人にとっては聞いて損はない作品だと思う。私自身、心地よく何回も聴くことができた。ただ、格別いいなという印象はない。92点
◇ MASTERPLAN/AERONAUTICS
マスタープランの2nd。ヨーンランデというボーカリストは凄いなってつくづく思う。存在感がある。このバンドは、ランデなしにはあり得ない。デビカバやスティーブペリーに匹敵するんじゃないかって思う。ミドルテンポの曲からスピードチューン、そしてバラードと全てをランデ節で消化してしまう。アラン&ランデでシンフォニエックスのVOと競演したが、あちらの作品の方がメロハそのものである。こちらは、バックがハローゥィンで結構自己主張をする音になっている。私的には、ドラムとは叩きすぎかな。ギターも自己主張しなくていい!って思ってしまう。だからか、曲が荒削りに聞こえる。それが魅力といえばそうかもしれないが。もう少し、メロディー主体で曲作りをしてくれるといいなと思う。バックの音は、もう少しそれぞれに自分の役割を考えて控えめでいいなと思う。まあ、それは私の好みの問題で、ハード目(パワメタ、正当派メタル)を好む人にはいいかもしれない。基本的に、私はハローゥインは好きじゃないのでその辺が影響しているかもしれない。とまあ言いながら、1stよりメロハ度がアップしている本作は、オススメだ。メロハファンなら十分に楽しめる。93点
■ BRAZEN ABBOT/MY RESURRECTION
ブルガリア人ギタリスト Nikolo Kotzev のプロジェクトの 5th 。 Joe Lynn Turner, Goran Edman 、
Tony Harnell (TNT, STARBREAKER), Erik Martensson (ECLIPSE) とボーカル陣が凄い。ブレイズンアボットの特徴だ。曲は、ジョーリンタナーでなくても全般に産業ロック化したレインボーぽい。だから好きなのだが。何曲かはブリティッシュメタルぽいものがあり、私的にはパスしたいものもある。充実したボーカル人に負けずと張り切るニッコロのギター。私的には、もう少しボーカルメロディー中心の曲にシフトを変えてほしいかな。それにしても、キーボードの音が、ジョーリンタナーの声、歌い方が懐かしきレインボー的で笑えてしまう。1、8、12曲目のように効果音を活用した曲が私には印象が残る。特に8曲目の物悲しいバラードが胸にしみる。バックの音も、アコースティックでオーケストリックで、メロディーが雨のシカゴって感じ。ボーカルは、エリックで他のベテラン3人を押しのけていい味を出している。この作品は、ギターが前面に出ずキーボード系が中心の曲ほど私にはGOOD。92点