2006.10  review

□ MARVELOUS3/HEY!ALBUM
 ブッチウォーカー率いるマーベラス3のデビュー作。1999年の作品である。アメリカ産のハードポップというヤツなんだろうか。ブッチウォーカーのソロ作は、非常にポップなメロハだった。その手のメロハを期待して聴いたわけだが、ちょっと違うかな。今で言うメローディアスなパンクロックって感じではないだろうか。私は、カテゴリーと言うかジャンルの概念が曖昧なので違うかもしれない。2,3回聴いた時点では、はっきり言って今一さんだった。しかし、4回5回と繰り返し聴いているうちに味がでてくる。メロディーが耳に馴染んでくる。メローディアスというのは、確かである。ポップ・ロックである。ただ、ドラマチックさとかかっこいいギターソロとかきらきらキーボードの装飾とかというものがないので音を楽しむということが難しい。シンプルな演奏にポップなメロディーが乗るって感じ。91点

□ FACE FACE/BRIDGE TO NOWHERE
 久し振りにメロハの典型を楽しむことが出来た。これぞメロハである。パープルクロスから5年くらいたっただろうか。あのオライアンのFACE FACEである。永久愛聴盤のパープルクロスと比べると、ちょっと落ちるかもしれない。7曲目に今一さんの曲があるが、全般には素晴らしい。特に1〜5曲目は絶品である。久し振りにメロハらしいメロハを聴くことができた。95点

□ VANDENBERG/HEADING FOR THE STORM
 
邦題が「誘惑の炎」。この作品は1983年の作品。80年代初頭、この類のメロハがたくさん出た。今から思えば、本当にいい時代だった。産業ロックに近い、少しハードで少しマニアックなサウンド。そうした中にICONやらジェフリアやらKEELやらいたわけだけど、このバンデンバーグはオランダから登場した珍しいバンドだ。イギリスでもアメリカでもない。話題は何と言ってもエドリアンバンデンバーグのギターだった。しかし、サウンド自体もさることながら、メロディーが非常に親しみ易い。いい曲が多い。バンデンバーグは、3枚?出して解散したと思うが、この作品はその2ndにあたる。メロハとしては上質な部類に入ると思う。20年以上のときを超えて、私の耳を楽しませてくれる。なお、1st、best盤は聴いたが、断然この2ndがいい。94点
 

□ ZENO/RUNAWAY TO THE GODS
 ジーノの久し振りの新作である。どうやらトミーハートがVOを取る予定だったらしい。しかし、FWの復活の時期と重なり、別のVOを探さざるえなくなり元ジャデドハートのマイケルボーマンに落ち着いたらしい。巷の評価はあまり芳しくない。特に、マイケルボーマンの声が合わないと。M・フレキシグの声が合うというコメントが幾つかのサイトであった。しかし、私はあの弱弱しい高音でファルセットを使うボーカルが好きでなかったので、ボーマンで正解だったと思う。ただ、ただ、ZENOのギター、サウンドにはやはりトミーハートの合うような感じがする。どちらもアクが強いと言うか非常に個性的であり、良さを相殺している面がるような気がする。ZENOLOGYUで肩透かしだったのに比べると、大変よく出来た作品であると思う。3年に1枚くらいのペースでいいから、これからも作品を出し続けて欲しいバンドである。94点

□ DWAYNE FORD/NEEDLESS FREAKING
 デビッド・フォスターがプロデュース。カナダ出のドウゥエイン・フォードの1981年の作品。AOR作品の再発盤。この時期、この手のAOR作品がどっと出ていたんだろう。当時、BOZ SCAGGSを代表として、TOTO関係のアルバムがブレイクしていた。同時に、スティーダンなどのフュージョンブレンドのAORも流行した。チャートに乗らなかったそれなりの作品が幾つかあって、AORファンの間ではレア化していたんだろうと思う。以前レビューしたデビッドロバーツなんかもそうだ。AOR、TOTOの初期の音が好きならば、十二分に楽しめると思うけど、やはり私的には少し物足りない。もっとハードなのりのよい曲が欲しいなって思う。92点

□ JOHN SYKES/LOVELAND
 ジョン・サイクスのバラード集と言ったらいいだろうか。彼は、勿論ギターリストとして名を上げた人物であり、シンリジー、ホワイトスネイク、ブルーマーダーなどでギターリストとして活躍した人物である。それで、本作であるが、バラード、バラードである。非常にメロディーが耳に残るいい曲が次々に流れてくる。がしかし、いかんせんサイクスは本職のボーカリストではない。確かにそれなりには歌えている。バンドの一員として、1枚のアルバムの中の2,3曲を担当するならいいだろう。・・・残念ながら、ボーカルが違ったらもっと素晴らしい曲なると思える。悪くはないけど、マイケルボーマンでもトミーハートでもジョーリンタナーでもスティーブペリーでもデビッドカバディールでもだれでもいい。それなりに歌のうまいボーカルがこの作品をトレースしていたらもっと違う素晴らしい作品になったと思う。間奏のギターソロは素晴らしいんだから。ほどほどに歌えるギターリストが作った作品と言う感じであり、、まあルカサーやニールショーンが全て自分が歌ったバラード集を作ったようなものである。91点

□ FRANKE & THE KNOCKOUTS/THE SWEET HERAT COLLECTION
 3枚のアルバムのベスト盤である。1980年代に登場した産業ロックのバンドである。DANさんのサイトで以前紹介してあり、聞いてみたいとずっと思っていた。やっと、ベスト盤を購入。DANさんの言われるとおり、上質の産業ロックそのものである。ジャーニー、スティックス、ボストン、フォリナー、ホール&オーツ、TOTOなどが混ざったような曲が次々に流れてくる。これだけの産業ロックを16曲も聴けるとは、ある意味奇跡である。勿論、オリジナリティーは少ない。しかし、これだけ素敵な産業ロックをたくさん聴けたのは久し振りである。95点