2006.11 review

□ WIG WAM/WIGMANIA
 ノルウエーから登場したこのバンド、本国では相当に人気があるそうだが、いやはや1st以上に凄いジャケット写真に思わず引いてしまう。LAメタル+KISS+ハードゲイって感じ。しかし、中身はちょっと違う。最初聞いたときは、1stの方がいいなって思った。しかし、聴きこむと、これは1stと双璧かそれ以上である。11曲目までは、文句なしに捨て曲なしの素晴らしい作品の連続である。曲によっては、まるまるボンジョビじゃないって感じのものもある。イメージ的には、デフレパードである。いろいろなバンドのいいとこどりなのがデフレパード的なのだ。ゴットハードぽい5曲目、他にもナックの名曲のリズムをパクッたような曲、チィープトリックぽいものやら、勿論私のイメージである。それにしても素晴らしい曲をこれだけ連続で聴かされると脱帽である。私的には12曲目とボートラの14曲目はパス曲である。ボートラの13,15曲目(1stからのライブ曲)はGOOD。この2曲のマイナスがなければ、今年のベスト5入りかと思わせる出来の作品である。94点

□ FIREHOUSE/CATEGORY5
 ファイアーハウスと言えば、1990年代に登場したメローディアスハードとして珍しくヒットした貴重なバンドである。時、メロハに逆風が吹き始め、多くのバンドがメジャーなレーベルから落ちていく時代である。そんな彼らの名盤グッドアコースティック以来の作品が本作である。1th〜3rdまでのメロハが優れていたゆえ、本作はどうしても評価は低い。実際聴いてみると、FIREHOUSEらしいメロディーの曲が次々に流れてくる。CJスネアのボーカルは、相変わらずいい味を出している。素晴らしい曲なのだが、やはり今一ぐっと来るものは弱い。ただ、メロディアスハードを好んで聴く人には、十分に楽しめる作品だと思う。前半の1〜4曲目までは、従来のFIREHOUSEそのものである。ところが5,6曲目にちょっと・・・という曲がある。やはり、彼らの力は、アコギを上手に使いミドルテンポで哀愁味のあるナンバーで発揮される。あと、9、12曲目があかん。残念ながら、FIREHOUSEはやはり4thまで、いやこの5thまでかな。91点

□ BROKEN SILENCE/DISCRERNING THE TIMES
 ハワイから登場したこのバンド。1989年に結成されたバンドだそうだが、何とBURN誌では80点という評価をもらっている。まあ、そうわるくはない。小粒な正統派メタルという感じだろうか。まずまずなメロディーのメタルが並んでいる。ちょっと、ボーカルさんが気合が入りすぎているのが耳障りだ。全体的に及第点的で今一、耳にも心にものこらないというのが正直なところである。86点

□ LEVARAGE/TIDES
 フィンランド産メタルバンド。BROTHER FIRETRIBE / FALSE METALのVOベッカ・ヘイノが、このバンドでもVOをとっている。どちらも、似た感じであるが、こちらは少しプログレッシブかな。少し前奏が長いように思うし、キーボード系が耳につく。最初聞いたときは、そういうこともあって、今一かなとも思った。しかし、聞き込んでいくうちに、印象が好転した。イメージとしては、PRIME TIMEのFREE THE DREAMである。ボーカルの声は、メロハにぴったりの声質だと思う。格別うまいという印象はないが、そつなく歌えている。今年でたメロハの中では上の部類に入るのではないかと思う。それにしても北欧すごいな。94点

□ STARSHIP/NO PROTECTION
 1987年の作品。ジェファーソンエアーシップから数えると24作目だそうだ。どうしても大ヒット曲「愛はとまらない」だけに注目がいくが、やはり私的にもそういわざる得ない。あまりにもよい曲があると、それと比較をしてしまう。この曲のよさは、メロディーだけではない。コーラス、そしてバックの音も影響している。他の曲には、打ち込み系の電子音のようなリズム音が感じられるものがある。ポップスなら普通と言えばそれまでだが。ただ、20年前の作品ではあるが、素晴らしいメロの曲が多いのも事実。1曲目は個人的にはパスだが、3、5、7(これも名曲)、11曲目あたりはよい曲だと思う。私的には、バックの音がもう少しバンド的だったらGOODだけど、仕方ないか。92点

□ JESSICA FOLKER
 素晴らしい歌声、メロディーだと思うんだけど、今一私を魅了しない。一番大きな問題は、バックの音だと思う。打ち込み系のリズム音が私は苦手なのだ。女性のボーカルというのは、これくらいメロディーがしっかりしていると気にならない。小さな音で仕事や読書中のバックに流しておくには、AORハード的でGOOD。ただ、ボリュームを上げて聴くと、バックの音がどうしても気になる。曲によっては、機械音的なリズム音でないものもある。そういう曲は心地よい。92点

□ BROTHER FIRETRIBE/FALSE METAL
 
LEVERAGE/TIDESと同じ人物がボーカルをとっている。雰囲気としては、似ている。ボーカルさんが同じだからそう感じて当然だろう。こちらは、LEVERAGEより少し甘めかな。メローディアスハードであるが、キーボードが多用されている。しかも、プログレッシブではなくキラキラ系の使い方かな。ただ、こちらは少し音の抜けが悪い。私の耳の錯覚だろうか。ステレオが悪いのだろうか。クリアさが不足しているように思う。本年度でたメロハ系のアルバムの中では、結構イイ部類に入るのではないかと思う。少し甘めの正当派メロハって感じだろうか。93点

□ STAGE DOLLS/COMMANDOS
 彼らの2ndにして名盤でレア盤として再発が待たれた作品。このほどやっと再発された作品である。2004年”GET A LIFE”などと比べると、本当にポップである。北欧のハードポップ的メロハ作品である。ダビンチ、リターン、スキャガラックあたりを連想するポップさがある。ただただ、そうしたバンドは北欧的な哀愁味が強く感じられるが、こちらはアメリカンな感じを受ける。軽いノリのポップなメローディアスアメリカンハードだ。例えば、4曲目などはジャクソンブラウンを連想させる。その後、アメリカンハードって感じの曲もある。メロハが守備範囲の人なら楽しめる。ただ、格別凄いと言うほどの代物ではない。小粒であることは否めない。92点