2006.12

■ HEART/BAD ANIMALS
 ハートのカンバック第2弾。私の知っているハートは、カンバック前であり、それこそLOBERBOYのマイクレノとデュエット、パラダイス以前である。カンバック後、このようなメロハ作品を出しているとは全く知らなかった。アローン以外の曲は、ベスト盤で聴いた程度であまり知らない。だから、非常に新鮮である。完璧なメロハというか産業ロックである。サバイバーとパットベネターを合わせて2で割った感じだろうか。アンの声は、女性でありながらハードロックぽい力強さがあり、歌唱力もあり素晴らしい。また、バックのサウンドもキーボードの装飾が非常に曲をマイルドにしている。そんな中、アンのボーカルが甘すぎるのを消し去るように力強く存在感を示す。いやあ、まあ、こういう音楽をやっていたんだ。ジャケットはいただけないが、中身は素晴らしいメロハ作品である。94点

■ HEART/BRIGADE
 復活第3弾。BAD・・・より、こちらの作品の方が、私的には好みかな。ミドルテンポのハードポップ的なWILD CHILDに始まり、2曲目ALL I WANNA DO IS MAKE TO YOUはALONEより個人的には好きだな。素敵なバラードだ。続いて、SECRETというバラード。これも名曲だ。でも、この曲順は?だな。感覚的には、少しテンポのある曲を3曲目におきたいな。5曲目のI DON'T WANT TO NEED YOUがこれまた如何にもHEARTらしいバラード。キーボードの装飾もいい。7曲目のFALLEN FROM GRACEは、キーボードきらきらのハードポップ。8曲目のUNDER THE SKYは、3分に満たない曲だけど爽やかなきれいな曲。10曲目のSTRANDEDは、アンではなくナンシーがVOで、落ち着いた素敵なバラード曲。12曲目のI WANT YOUR WORLD TO TURNは、ブロンディーというかシンディーローパーぽいな。私的には。そして、最後I LOVE YOUはエピローグでおやすみなさい的なバラード。途中2曲ばかり好きじゃない曲が混ざっているけど、全般には素晴らしい曲が次々に流れてくる。少しバラードが多いかなと思わないでもないけど。95点

□ BIG THING/ FALLEN NATION
 全く予備知識も何もないバンドだったけど、何となくメロハ?と思って、ヤオクで落とした作品。デスクヘブンには、「95年。SWEDEN。MELODIOUS HARD。ヘヴィなヨーロッパタイプ。Good。THIN LIZZYトリビュート参加。 」なんてコメントがあった。プログレ(DT系)+メロハかな。ボーカルの声が私はあまり得意じゃないかな。途中にギターのインストが入っている。中盤からいい感じの曲もあるんだけど、プログレメタル(DTぽい・・あくまで私のイメージ)なのが今一好きになれない。78点

■ AGNES/WHEN THE NIGHT FALLS
 フィンランドからまた素晴らしいメロディックメタルが出た。これは、EVANESCENCEの1stの時の衝撃に近い。ただ、EVANESCENCEとはちょっと違う。5曲目にそれっぽいナンバーがあるが、全体的にはどちらかと言うとアリソナベニューあたりに近い気がする。ただ、お国柄なんだろう、ゴシックメタルぽい味付けが全てに感じられる。パットベネター+THE RASMUS って感じではないだろうか。いずれにしても、素晴らしい作品である。1,3,4,6,7,8,10そして、ラストのバラードと素晴らしい曲が続く。もしかすると、今年聴いた中で一番たくさんリピートしたかも。FWよりたくさんきいたかもしれない。96点

□ BRUNOROCK/INTERACTION
 2005、 MTMから出た作品。インストの後、IT'S ALL BEEN DONE 4 MEは素晴らしいメロディックハードだ。小粒ではあるが、こういうSMARTでSIMPLEな曲が最近少ない。この作品の一つの特徴は、ALEX DE ROSSOのギター。それぞれの曲で格好いいギターソロを聴かせてくれる。ただ、残念ながら少し音がクリアでない曲があるように聞こえる。曲によってプロダクションに差があるような気がする。さて、このCDで一番オススメは5曲目LET ME BE THE ONE。何回聴いても、BAD HABITのアダルトオリエンテーションかSTREET TALKを想起してしまう。その類が大好きな私にとっては文句なしのベストチューンである。因みにジャケットを見るとフレッドリック(STREET TALK)の作品ではないか。キーボードも彼がやっている。後半の曲は、ギターがBOBBY ALTVATERがリードをとっているものもあるので少し印象が違ってくる。9曲目のNO MORE PROMISEもどこかで聴いたことのあるようなメロディックハード。ラストを飾る LA FONTE DEI SOGNIというイタリア語?の曲もフレディクがキーボードで参加している。青空系の素敵な曲だ。全体的には、この作品はとてもよくできている。メロハファンであれば、聴いて損はない十分なレベルの作品である。私的には、もう少しボーカルさんががしっとした歌唱ができれば名盤に近いと思う。94点

■ KAMELOT/THE BLACK HALO
 『エピカ』に続く、シンフォニック/メロディック・メタル・バンドの7th。彼らの作品としては、エピカ、カーマ、1stしか聴いていない。1stはVOがロイ・カーンではないので別物かな。内容的にもつまらなかった。カーマをはじめて聴いたときにはびっくりした。なんて凄いんだ、これは究極のヘビメタだと思った。ただただ、カッコイイと思った。しかし、あの刻みの細かいドラムは好きになれなかった。さて、この7thは、ちょっと印象が違う。あまりスピードメタル的な曲がない。どちらかというとゆったり目の曲が多い。そして、少しシンフォニックぽいかな。DTと違って、転調が不快ではないので許せる。このバンドの曲は大音量で聴くにはいいが、一緒に口ずさめるようなポップさが欠如しているのが私にとってはのめり込めない一因となっている。ただ、この作品では、3曲目のHUNTINGという曲はメロディーが残った。エピカやカーンと違って、聴くほどよくなっていく作品である。好みから評価すると93点が限界かな。