2006.6 review

□ JOURNEY/GENERATIONS
 
ジャーニーの久し振りの作品。FRONTIERSレコードからジャーニーのCDが出るなんて、時代は変わったものだ。今回のアルバムは、巷ではすこぶる評判が悪い。オージェリー以外のメンバーも入れ替わり立ち代りボーカルをとったのもその酷評の一因になっている。でそこに注目して聞いてみた。3曲目A BETTER LIFEは、ドラムのCASTRONOVOがボーカルを取っている。格別上手ではないし、この曲の感じならオージェリーのほうがFITすると感じる。4曲目は、ジョナサンケイン。彼のボーカルはいただけない。なぜ彼に歌わせるのか意味不明。9曲目をニールショーンが。彼もまた今一さんのボーカルである。ケイン同様、なぜ彼に歌わせるのか?11曲目をベースのロスバロリーが。この曲はちょっとジャーニーぽくない曲で、これはオジェリーには合わない。ロスバロリーで正解なのかもしれない。ただ、このような曲はジャーニーのCDにはいらない。13曲目を再びCASTRONOVOが。彼は、ケインやショーンやバロリーより明らかにうまい。ということで、確かに13曲中5曲もリードボーカル以外の面子が歌うのは、それが格別いいなら別だが、私は必要ないと感じた。全体の印象は、ジャーニーの作品としては小粒。残念ながら、前作の方が良かったし、全ての曲をオージェリーに歌わせた方がBETTERだったと思える。しかしながら、メロハの作品として評価すればまずまずなのではないかと思う。92点

□ MEAT LOAF/BAT OUT OF HELLU
 
世界的には大ヒットした作品のようだが、日本では?だったらしい。ジムスタインマンがプロデューサーだそうだが、私にはよく分からない。1曲目から12分にも及ぶ大作。デュエットはいいけど、ここまで長いと疲れる。オペラティックな作品構成というかドラマッチックというか荘厳というか、そういうこてこてしたところが、日本人には合わないのではないかと思う。それと、ボーカルの声、更にミーとローフの巨漢の容姿は日本人にとってはプラスに働かないだろう。純粋に音楽だけを聴くとそれなりに素晴らしい作品なのだろうけど、繰り返し何回も聴きたいと思えるような作品ではない。私的に聴き易かったのは、やはりピアノをフューチャーしたナンバー。88点

□ MICHEAEL KISKE/INSTANT CLARITY
 
マイケルキクスのソロ作。HELLOWEENを脱退後作り上げたのが本作である。BIG バンド「ハローイン」のフロントマンとして歌ってきた彼が、いったいどういう音楽をしたいのかの答えがこの作品にあるのだろう。私的には、HELLOWEENは今一フィットしないバンドであったので、キクスは、昨年出たプラスバンドーンのボーカルという印象が強い。そこで聞かせてくれたキクスのボーカルは流石としか言いようがない。ヨルンランデなどと比べても決して引けを取らない素晴らしいボーカルであった。本作は、ハローインとはちょっと違って、普通のポップなナンバーからヘビメタナンバーから少しモダンな曲から、いろいろな曲が混ざっている。一体どういうことをしたかったのかが、私には分かりかねる。バラードのALWAYS、DO I REMEMBER A LIFE、切ないポップナンバーTIME’S PASSING BYなんかが特にいいかな。今後、ソロのボーカリストとしてのキクスに期待をさせるような作品だ。素敵なギターリスト、作曲家と出会えると素晴らしい作品が聴けるだろうなと思う。90点

□ LAVA/ALIBI
 
北欧のバンドらしいが、詳しくは分からない。デビューは20年くらい前らしい。完璧にAORの世界である。やはり初期のTOTOを連想する。曲によっては、リトルリバーバンドぽいものもある。何と言っても、ギターの印象よりサックスのそれの方が強いという感じである。北欧のAORといえばT'BELLを想起するが、それよりもっとAOR寄りかな。面白いバンドではあるが、日本ではこういうバンドはマニア向けと言うことになるだろう。非常に1970年代のアメリカンAOR的だ。ドゥービー、スティーリーダンぽさも微かにブレンドされている。TOTO系の音が好きな方ならば、気に入るような手堅い、良盤だと思う。92点
 

□ LAST TRIBE/THE UNCROWNED
 
ミッドナイトサンのマグナス率いるラストトライブの3rd。マグナスは、今や売れっ子のプロデューサーでありソングライターでありギターリスト。正統派メタルとはこういうやつだって、そんな印象の作品が本作である。先月聴いたノクータラルライツと似ているんだけど、こちらの方が私的にはぐんと聴き易い。兎に角、ギターのリフやソロの部分がイカシテイル。メロディーもなかなかよく,特にさびの部分になるといいメロがながれて来る。ただ、ただ、私的に今一フィットしなかったのはボーカルの声だ。男っぽ過ぎる。もう少し、透き通った部分もほしいな。ヨーンランデも男っぽいけど、いい感じなんだけど、この
Rickardって人の声は嫌いじゃないけどちょっと好みと外れているかなって感じである。これは好みの問題だからいかんともしがたい。とけちはつけたものの、十分なメロハ。93点

 

□ DAKOTA/MR.LUCKY
 再結成後、初のアルバム?4作目。この後、THE LAST STANDING MANを発表。ダコタは、最新作のDEEP、RUN AWAYとTHE LAST・・・の3枚を聴いている。最新作とRUNAWAYは名盤である。間違いない。THE LAST・・・は今一である。本作も従って期待度ゼロであった。焼き直し盤的だということでもあったし。で、正直言ってびっくりした。思ったよりずいぶん良い。印象的にはシカゴ+TOTO+KEANEという80年代前半のアメリカンAORロックである。シカゴそのままという曲もある。KEANEぽいピアノとベースの曲もある。非常に心地よく聴くことができる。期待を裏切る良いアルバムであった。ただ、これはという曲はない。93点